中古車のメーター巻き戻しはまだある?!正しく見抜く4つの方法

中古車のメーター巻き戻しはまだある?!正しく見抜く4つの方法

なるべく費用をかけないように、新車ではなく中古車を購入したいと思っていても、中古ということに多少なり不安を感じてしまう方は多いことでしょう。

中古車におけるトラブルのひとつに「メーターの巻き戻し」があり、近年その件数は減っているものの、低い可能性で当たってしまう場合があります。

今回は、中古車のメーター距離が正当な値かどうかをチェックする方法と、メーター距離がおかしい(巻き戻しの可能性がある)場合にどうするべきかについてお話しします。

中古車を購入する前という方はもちろん、購入後に走行へ不安を感じた方にも参考にしていただける内容ですので、ぜひ参考にしてくださいね。

メーターの巻き戻しの現状

一般的に言うメーターの巻き戻しとは、メーターパネルのうち、総走行距離を示す「オドメーター(以下、メーター)」の値を不正に巻き戻す行為(実際の総走行距離より意図的に短くする行為)のことです。

総走行距離が長いほど車の価値が落ちる傾向があるため、価値を上げるためにメーター巻き戻しをする業者が多くありましたが、現在はほとんどないと言って良いでしょう。

メーター巻き戻しについては業界としても問題視しており、現在までに対策が進んでいることが理由です。例えば、車検証に前回・前々回の走行距離を併記する方式になったのは、不正対策の一つです。

さらに、2017年1月には、過去の車検時に記録された最大値を車検証に記載するよう改めるなど、不正に対してシビアになっています。

とはいえ、万が一に備えて見分ける方法を知っておきたいという方が多いことでしょう。その方法を解説するにあたり、「メーターと総走行距離が一致しないケース」について先に触れておきます。

メーターと総走行距離が一致しないケースについて

少し紛らわしいのですが、メーターの値が実際の総走行距離と一致しないケースがすべて“メーター巻き戻し”ではありません。

このケースには大きく2パターンあり、ひとつは「メーター巻き戻し」、もうひとつは「メーターパネル交換」があります。

メーターと総走行距離が一致しないケース

  • メーター巻き戻し:不正にメーターを巻き戻す。
  • メーターパネル交換:メーターパネルが新品の場合、交換後は0kmになる。中古品の場合、交換後は中古メーターがもともと示していた距離になる。

このうち問題となるのは、

  • メーターを不正に巻き戻している場合
  • メーター交換により実際の総走行距離より短い距離が表示されているが、そのことを説明していない場合

です。

どちらにしても、購入側にとっては「認識しているより長く走っている車」ということになり、リスクが大きくなります。どうすれば見抜けるのか、次章よりお話ししていきます。

メーター距離が正当がどうかをチェックする方法

正直にお伝えすると、メーターの距離が正しいかどうかを素人が100%見抜く方法はありません。ただ、メーター距離よりも長く走っているかどうかを判断する基準はありますので、お伝えします。

車検証の走行距離計表示値をチェックする

車検証には、前回の車検時の走行距離を示す「走行距離計表示値」が記載されています。また、前々回の車検時の走行距離である「旧走行距離計表示値」も併記されています。

自動車検証

通常、上図のように、前々回よりも前回の車検時の走行距離の方が大きくなります。もし、前回の車検時の走行距離が前々回より小さくなっていれば、メーター巻き戻しの可能性が非常に高いです。

走行距離計表示値<旧走行距離計表示値 → メーター巻き戻しの可能性大

注文書(契約書)の走行距離欄をチェックする

中古車を購入する際、販売店は注文書(契約書)を用意します。通常この注文書には「走行距離」が記載されていますが、その記載内容が実際の走行距離と異なる場合は要注意です。

まだ購入前という方はもちろん、購入後という方も、一度注文書の内容を見直してみましょう。

もし、以下のいずれかに当てはまる場合、メーター巻き戻し・メーター交換の可能性があります。

  1. 注文書の走行距離 < 車検証の走行距離計表示値
  2. 注文書の走行距離欄に「不明」と記載されている

1.の場合は、時系列で考えるとつじつまが合わないため、メーター巻き戻しの可能性があります。

2.の場合はとても分かりやすく、名称どおり走行距離が分からない中古車です。つまり、「いつかは分からないもののメーター巻き戻しをされた中古車」か、「個人がメーター交換をした中古車」のどちらかの可能性が高いです。(ディーラー・整備工場でメーター交換される場合、交換前後のメーター距離が記録されるため、走行距離不明にはならない)

いずれも、「実際の走行距離=メーター距離」ではないケースとなるため注意して下さい。上記に当てはまらない場合でも、内装のへたり具合をチェックしておくとより安心です。

タイミングベルトの交換ステッカーをチェックする

タイミングベルトは、走行距離10万kmが交換の目安と言われています。すなわち、タイミングベルトが交換されていれば、10万km以上走行している可能性が高くなります。

タイミングベルトを交換する際、タイミングベルトカバーなど見やすい場所に、交換ステッカーを貼ります。このステッカーは、交換時期と交換時の走行距離を記載するようになっています。

もし、交換ステッカーが貼ってあり、記載されている走行距離よりメーターの示す距離が短ければ、メーター巻き戻しまたはメーター交換されていると判断できます。

なお、ステッカーには交換時期と交換時の走行距離が記載されていますので、その数字をチェックすれば現時点の大体の走行距離がイメージできるかと思います。

実際の走行距離目安=ステッカーの走行距離+(交換時~現在の経過年数)×1km
※1年1万km走行で計算

交換ステッカーが貼られていなければ、メーター巻き戻しをしているかどうかを一概に判断できません。10万kmに満たずタイミングベルトが交換されていない可能性や、10万kmを超えて交換済でもステッカーが貼られていない可能性も充分あるためです。

【購入後向け】走行メーター管理システムを利用する(難易度:高)

走行メーター管理システムとは、業者間オークションに出品された中古車の「走行距離」を管理しているシステムで、中古車に対する不正操作を防ぐために開発されました。

この走行メーター管理システムへ照会をすることで不正チェックが可能です。

一般の方が利用する際は、「日本自動車査定協会」または「日本中古自動車販売協会連合会」の受付窓口にチェック依頼することになります(有料1,500円)。

メーター確認のため現車を最寄りの支所へ持ち込む必要がありますので、購入後のみ利用できると考えてください。

自分で気軽にチェックできるというものではないので、ハードルが高く感じるかもしれません。

これまでにご紹介したチェック方法だけでは走行距離に不安が残る場合や、もっとしっかり調べたいという場合は利用してみると良いでしょう。

各都道府県の受付窓口やシステムについての詳細は、自動車公正取引協議会のWebサイトで丁寧に紹介されていますのでご参照ください。

以上のチェック方法で、怪しい車を回避することはできるかと思います。しかし、購入後に判明する場合もありますので、その場合の対処法について次章でお話しします。

購入後にメーター巻き戻しが判明したときの対処法

もし、購入した中古車にメーター巻き戻しの不正が考えられる場合、そう考えられる材料とともに下記機関にご相談ください。

相談窓口

不正をするような販売店に自分一人で訴えても、まともに取り合ってもらえない可能性があるためです。専門機関に間に入ってもらえれば心強いですし、状況に応じて取るべき行動を教えてもらえます。

上記相談窓口のほか、各地域の無料法律相談を利用したり、弁護士ドットコムで相談するのもおすすめです。

注意点としては、できるだけ早く動くことが重要です。相手の不正だったとしても、あなたが問題の中古車を乗り続けていれば「走行距離に納得している」という間接事実になってしまい、契約解除などの対処に進めなくなる可能性があるのでご注意ください。

最後に

近年、業界としても中古車の不正に対してシビアになっており、メーター巻き戻しへの対策がとられています。とはいっても、悪質な販売店は実在しているので、購買者は「あやしい車は買わない」という選択をしなければなりません。自己防衛できるように、本記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

コラム:過走行を内装状態からチェックする(難易度:高)

メーターを巻き戻すケースのほとんどは、もとの走行距離が10万km以上の過走行車です。20万km以上走っているような中古車も普通に存在します。

そのような過走行車を見分ける基準のひとつとして「内装の劣化・へたり具合」があります。つまり、メーター走行距離に対して内装の劣化具合が不自然であれば、メーター巻き戻しの可能性があると言えます。

走行3万kmと走行5万kmの中古車であれば内装はまだ綺麗めで差は出にくいですが、走行3万kmと走行10万km以上ともなれば内装の劣化・へたり具合に差が出てきます。

メーター巻き戻しをする業者は、中古車を高く売るために走行10万km以上の中古車を3~4万km程度まで巻き戻すため、内装チェックは目安として有効です。

チェックの際は、運転中によく触れる下記パーツを見てみると良いでしょう。低走行車と紹介されているのに各部分が摩耗している場合は要注意です。

ペダルのチェック箇所
ペダル

ゴム製の場合は擦り減って溝がなくなったり、つるつるになります。塗装されているものは剥げてきます。

ハンドルのチェック箇所
ハンドル

表面が摩耗し、テカテカになります。さらに劣化しているものはひび割れが見られます。

シフトレバーのチェック箇所
シフトレバー

表面が摩耗し、テカテカになります。革製のものは摩擦でヨレたり薄くなったりします。

座席シートのチェック箇所
座席シート

特に外側の側面が劣化しやすく、シートが擦れて薄くなったり、状態が酷いと破けているものもあります。

なお、実際あまり走っていない中古車でも、短距離で乗る頻度が高い場合や扱いが荒々しい場合などであれば、通常に比べて内装が劣化しやすいです。

一概に「低走行で内装に劣化が見られる中古車=メーター巻き戻し」とは限らないのが難しいところです。内装は目安として見て、記事内で提示したチェック方法との併用をおすすめします。

Q.10万km以上でも綺麗な中古車はあるが、その場合はどう見分けるのか

走行10万km以上の中古車でも、しっかりメンテナンスして丁寧に乗っていたとても綺麗なものが存在します。実際、筆者の知り合いの車は走行10万kmを超えていますが、ディーラーに驚かれるほど綺麗です。

しかし、メーター巻き戻しをするような業者が仕入れるのは「安く手に入る、過走行で状態のよくない中古車」です。

状態の良い車であれば不正をしなくとも高く売れますし、何より「安く仕入れて高く売る」ことが目的です。そういう点からも、メーター巻き戻しされる車は内装にへたりが見られるものが多く、過走行を見分ける目安となります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

SNSで最新情報をチェック